超短パルスレーザによるタングステン(W)への微細四角穴加工事例
今回はt=0.1mmのタングステン板へ微細四角穴加工を行いました。
加工仕様
板厚:0.1mm
穴寸法(入射面):0.3×0.3mm
ピッチ:0.6mm
加工範囲:45×45mm
熱影響が少ないため、チッピングやクラックのない美しい状態に加工されている事がご覧いただけると思います。
四角穴の間隙は約0.015mm以下となっており、超短パルスレーザの特徴が活かされた好例です。
タングステン(W)は融点・沸点ともにきわめて高く、金属の中で最も線膨張係数の低い物質です。
また非常に高い硬度を持つ為、超硬合金の材料としてよく知られています。
欠点として加工が難しく、機械加工においては工具摩耗やチッピング等の課題があり、
特に微細加工が困難な材料とされています。
しかし、微細加工のニーズは高く、多くの工法でのチャレンジが繰り返されてきました。
ところが、いずれの工法も、希望する形状を得ることはできませんでした。
多くのお客様から微細加工のご要求が寄せられる中、当社でも幾度となく挑戦しましたが、
満足の行く形状を確保することはできませんでした。
美しい結果が得られなかったのです。
お客様のニーズに応えるため、光学系、制御系、レーザパワー等の適正値を徹底的に模索し、
ついにタングステンへの美しい微細加工技術が確立されました。
機械加工やその他の工法にみられる工具の摩耗・破損、品質のバラつき等の心配は一切ありません。
このメソッドの開発は、あらゆる難加工材の微細加工を可能にします。
単純に超短パルスレーザを照射し続けても、
タングステンのような難加工材料には、美しい微細加工を行うことはできません。
チッピング・クラックあるいは溶融による形崩れを防ぐ加工技術の開発は、
多くの潜在マーケットの発掘に役立つと確信しています。
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