材料表面へ数ミクロン~数百ミクロンのテクスチャを任意で付与する技術は、トライボロジーをはじめ様々な分野で研究・応用が進む技術です。中でも超短パルスレーザは、材料を問わず難加工材を得意とすること、また熱影響を極限まで抑えながら、数~十数ミクロンオーダーの加工を、規則的に、再現性をもって行えることから、他の表面改質技術と並んで注目されてきました。
 一方、加工速度の面では課題もあります。昨年のノーベル物理学賞では、高強度短パルス光の生成技術開発の功績が評価され、Gérard Mourou博士、Donna Strickland博士が受賞されていますが、そうやって高まってきた発振器の性能を活かすためには、ごく短い周期(例えば10MHz=100ナノ秒おき)で発振される光を正確に制御・同期する技術が必要なのです。
 そこで弊社では、ポリゴンスキャナと高周波発振器を組み合わせた高速加工をご提案しております。

ポリゴンスキャナって何?

 レーザ加工で使うのは、普通ガルバノスキャナですよね?ではポリゴンスキャナとは何か?どうやって使っているのでしょうか。

 

 実は、ポリゴンスキャナは結構身近に在るのです。それは、印刷用レーザプリンタです。家庭や事務所にあるレーザプリンタは、印刷したい写真や画像をパソコンで加工して、そのデータを感光ドラムへレーザ露光し、印刷に使われています。
 今回ご紹介するポリゴンスキャナも全く同じです。ただし加工用光源であるレーザの出力は10,000倍くらいで、直接ワークを露光加工しています。

 

 通常、加工用レーザ光源を用いてなんらかの意匠を施す場合、設計図を機械系CAD(Computer Aided Design)で起こし、CAM (Computer Aided Manufacturing)経由で位置決めデータやモーションデータに変換後、アクチュエータ動作中にレーザON/OFFタイミングを割り込みさせて加工を行います。
※形状が解る言葉や絵図をもとに、加工用データ作成を行います。

 でも、ポリゴンスキャナは違います。レーザプリンタですから、概念も印刷と同じで、逐一CADを描く必要はありません。画像データさえあれば加工ができます。

 以下、当社が所有するポリゴンスキャナの代表スペックです。
・ドットサイズ(レーザスポットサイズ)φ0.025mm
・最小分解能 5,080dpi ※
・最速スキャンスピード 200m/s ※
・データ形式:PNG/JPEG/ BMP/TIFF 等
 ※加工内容に合わせ調整します。

 最速スキャンスピード200m/s とは、時速換算で720km/h ですから、国内線ジェット機の巡航速度並みです。この時、例えばレーザ周波数を8MHzとすると、描画時のドット間隔は0.025mmになります。
 イメージするならば、ジェット機に搭乗しながら光の礫を25μm間隔で地上に正確に並べていることになります。これは、ちょっと凄いと思いませんか?

加工事例

 まずは意匠加工のご紹介です。画像データさえあれば、下図のようなデザイン加工が可能です。

ポリゴンミラー意匠加工事例:㈱リプス・ワークス

弊社既存設備との加工速度比較 一例

 次に既存設備との加工速度比較です。例えば下図のようなディンプル加工では、加工時間が1/20となります。

ポリゴンミラー高速化事例:㈱リプス・ワークス

ポリゴンスキャナ 製品動画

最後にポリゴンスキャナのイメージ動画です。
10面体ポリゴンミラー、X軸Y軸ガルバノ、レーザの同期により、超短パルスレーザによる高速加工が可能です。